はじめまして看護師の山村です。
すみれ病院では、患者さんが来院されると、まず看護師が問診(患者さんの今日の体調や
前回の受診から今日までの出来事などの聞き取り)を行います。
そして身体測定、尿検査、血液検査と進みます。
初診の患者さんの場合は、特に時間をかけて聞き取りを行ってます。
今日はある患者さんについてのお話です。
今年の3月下旬に50代の女性患者さんが受診されました。
健診で血糖値が高いと言われていましたが、仕事が忙しく放置していたとのこと。
血糖値を測定するとなんと449mg/dlもあり、HbA1c(血糖値の1~2ヶ月の平均を表す標識で
5.8%が正常)は13.1%でした。「何の症状もないのに、どうして・・・」と患者さんはびっくりし
て怪訝そうな顔をしていました。
「健診で糖尿病と言われ早く病院に行かないといけないのはわかっていたけれど、たいした
症状もないし同じころ手が痛かったり、歯が痛かったりしたので、接骨院や歯医者さんに先
に行っていました。こんなに血糖値が悪くなっているんだったらもっと早く受診すればよかっ
た」と言われました。
糖尿病は初期にはどこかが痛いとか熱が出るといった症状がありません。この患者さんと
同じように症状がないからといって病院を受診することを後回しにしている人はいませんか?
幸いこの患者さんは足のしびれなどの神経障害、目の網膜に起こり失明の原因となる網膜
症、人工透析の原因となる腎症といった糖尿病特有の合併症や脳梗塞、心筋梗塞などの
動脈硬化はまだでていませんでした。
しかし糖尿病は症状がなくても、合併症は知らない間に進行します。合併症がでると、その
症状に悩まされることになり、QOLが低下したり、場合によっては命にかかわることもありま
す。糖尿病の怖さは高血糖が長く続いた結果起こる合併症にあるのですね。
健診で血糖値が高いといわれた方や、再検査が必要ですといわれた方は放置せずに早め
に受診するようにしてくださいね。