糖尿病療養院指指導士のつぶやき
活動量を増やすコツNEATについて
糖尿病療養指導士・理学療法士 佐藤
こんにちは、理学療法士の佐藤です。
スポーツの秋ですね。スポーツの語源は、本来の役割(仕事・家事など)から離れて心を他の面に運ぶことだそうです。遊びや楽しみがあったり、気分転換できる活動であればスポーツなんですね。といっても、皆さんにとっては糖尿病の運動療法としてスポーツ(運動)するとなると、決まった運動を毎日続けないといけないと思ったり、義務感やプレッシャーを感じて、運動が重荷になっていませんか。
今回は、特別な運動をしなくても活動量を増やすことができる方法についてお話します。
人の消費エネルギーの内訳は、体温維持・呼吸といった生命維持に必要な基礎代謝で60%、消化吸収で10%、運動で30%といわれます。基礎代謝と消化吸収に使われるエネルギーは基本的に増やせませんから、消費エネルギーを増やすには運動を増やすことになりますね。しかし特別な運動をしなくても、家事、徒歩や自転車による通勤、ガーデニング・ゴルフなどの趣味、子供と遊ぶといった日常生活の活動で消費されるエネルギー(NEAT)を増やせば、消費エネルギーが増えて糖尿病の治療に役に立ちます。
NEATは日常生活で少し工夫すれば簡単に増やすことができるので、運動が苦手な方や運動をする時間がない方は、NEATを増やせばよい訳ですね。では、運動が苦手な方にオススメの活動をご紹介しましょう。
Wii Fit:
血糖を下げる効果以外にも、親子間や夫婦間のコミュニケーションが増えたり、ぐっすり寝られるようになったなど、ストレス解消やリラクゼーション効果の報告があります。
ジョーバ:
膝・腰痛のある人にオススメ。股関節周りや体幹の筋力トレーニングにもなります。
家事:
拭き掃除・掃除機をかける・洗濯物を干す&取り込むなど身の回りをきれいにする作業は、ストレス解消にもなります。私の友人はストレス解消に布団カバーやシーツや玄関マットなどをできる時にまとめて洗濯していました。片付け本(断捨離やこんまりさんの本)もブームになりましたよね。ポイントは自分のペースで行うことです。
万歩計を使う:
万歩計をつけるだけで、平均2000歩/日、歩数がアップするといわれています。 歩く方法を具体的に考えると、夕食(外食)後にウインドウショッピングがてら歩く、駅の階段を全部歩くのはしんどいからエスカレーターを利用しながら歩く、季節の変化を楽しみながら公園や河川敷を歩くなど。←これらは患者さんから教えてもらった方法です。
いずれも身体活動の強さはそれほど強くありませんが、最近の研究では、そのような活動でも食後の血糖を抑える効果があるといわれています。まずは、自分の体調・スケジュール・楽しみを優先して、できそうな時間帯で動いてみましょう!
日常生活を振り返ると、きっと活動量を増やす方法が見つかりますよ。涼しくなったこの時期に体を動かしてリフレッシュできるといいですね。