糖尿病療養院指指導士のつぶやき

「たばこ」について

糖尿病療養指導士・看護師 佐藤ちずる

はじめまして、看護師の佐藤です。
私は去年の4月に北海道から大阪に引っ越してきました。すみれ病院には10月から働いています。北海道ではまだまだ雪が残っている時期ですが、はじめて雪のない冬を過ごして「冬って感じわかないなぁ。けど、雪かきもないし、楽ちんでいいな。」なんてはじめは思っていました。しかし、実際の気温は北海道のほうが低いですが、家の構造や暖房器具の違いからなのか、大阪のほうが寒くて驚きました。
ブログを書くのは初めてなので少し緊張しています。何を書こうか悩みましたが、今回は「たばこ」について書きます。

ここ最近たばこの値段があがり、禁煙に対する意識が高まってきています。先生からやめるように言われている人もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、やめなきゃいけないのはわかるけどなかなかやめられないという声もよく聞きます。
 
 では、なぜたばこは良くないのでしょう。
 みなさんもご存じのとおり、たばこを吸うとがんになる確率が高くなります。
 また、高血圧、狭心症・心筋梗塞、末梢血管の血流低下による動脈硬化や、女性にとっては大問題である肌の老化などを引き起こす原因になります。たばこを1日20本吸うと、心筋梗塞で亡くなる率が約2倍多くなり、40本以上では約5倍になります。

たばこには体に有害な成分が200種類以上、発がん物質は50種類以上含まれているといわれています。 
その中でも代表的なものが、一酸化炭素とニコチンです。
「一酸化炭素」は、酸素の吸収を妨げ、全身を酸素欠乏状態にします。この酸素欠乏が原因で、体は異常と判断し、もっと酸素をとりこまなければと、赤血球の数を増やしますので、血液が濃く、ドロドロになっていきます。また、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やします。
「ニコチン」は頭をすっきりさせたり、落ち着かせる作用がありますが、中毒性の高い物質です。心拍数や血圧を上げたり、血管を収縮させる作用もあります。
また、ニコチンによって副腎髄質から分泌されたカテコラミンにより、血小板が凝縮し、血栓が出来やすくなります。

たばこを吸うとこれらの物質が原因で、血液がドロドロになったり、血管がせまくなり、血管がつまって、血圧をあげたり、脳梗塞や心筋梗塞・狭心症を起こします。
一方、糖尿病は血糖値が高い状態が続くため、血液がドロドロの状態になり、血管に負担がかかり、血流が悪くなったり、動脈硬化になりやすい状態です。そのため、糖尿病の患者さんにとってたばこは、合併症をさらに悪化させてしまう原因になります。ただでさえ、血管に負担がかかっている状態の上に、たばこを吸うと血管への負担はさらに高くなってしまいます。
合併症を予防するために、糖尿病の患者さんはぜひ禁煙を考えていただけたらと思います。

 たばこには依存性があり、やめろと言われてもなかなかやめられないという方も多いと思います。最近では禁煙を補助するニコチンガムや貼り薬、内服薬も出てきています。すみれ病院では禁煙を支援するため、禁煙外来もありますので、ぜひ主治医の先生にご相談ください。

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