糖尿病療養院指指導士のつぶやき
暑い日が続きますが、熱中症対策をして運動を続けましょう!
糖尿病療養指導士・理学療法士 佐藤
こんにちは!大阪は今日から天神祭です。夏本番で、これから暑い日が続きますね。熱中症で病院に運ばれたニュースもよく耳にします。
熱中症は、糖尿病治療で運動を続けておられる方や、運動をしようと思われている方にとっても他人ごとではありませんよね。
今回は熱中症予防の対策や、運動の注意点についてお話しします。
熱中症とは、暑い環境で生じる健康障害のことで、1)熱失神、2)熱けいれん、3)熱疲労、4)熱射病があります。
1)熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少して起こります。脈は速くて弱くなります。 特徴として、めまい・一時的な失神・顔面蒼白があります。
2)熱けいれん:大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した時に、足・腕・腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。 特徴として、筋肉痛・手足がつる・筋肉がけいれんすることがあります。
3)熱疲労:大量に汗をかき、水分の補給が追い付かないと、身体が脱水状態になり、熱疲労の症状がみられます。 特徴としては、全身倦怠感・悪心・嘔吐・頭痛などです。
4)熱射病:体温上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。意識障害(意識がない・応答が鈍い・言動がおかしい)がみられたり、ショック状態になる場合もあります。
熱失神は涼しい場所に運び、衣服を緩めて足を高くして寝かせ、水分補給をすれば回復します。 熱けいれん・熱疲労は涼しい場所で生理食塩水(血液と同じ0.9%の食塩水)を補給すれば回復します。 熱射病は全身(首すじ・脇・大腿部の付け根など)を冷やして、すぐに救急車をよびます。
ここまで熱中症についての一般的なお話をしましたが、熱中症を予防するにはどのようなことに気を付けたらいいでしょうか?
熱中症の起こりやすい時期としては、梅雨の晴れ間や、梅雨明けの急に暑くなった時、8月の気温が高くなった時、熱帯夜が続く時などです。
気温が高い・湿度が高い・風が弱い・日差しや照り返しが強い場所も要注意です。
暑い時期に教育入院で患者さんに運動をして頂く場合は、薄着で熱を外に出しやすい服装で、屋外のウォーキングは朝食後や夕食後の涼しい時間帯にしたり、昼食後はリハビリ室での運動をすすめています。
水分補給も、運動の前後だけでなく、水筒やペットボトルを携帯してこまめにとってもらいます。
ちなみに運動する時に熱中症を心配して、スポーツドリンクやイオン飲料を常用する方もおられますが、栄養士さん情報によると、基本は(屋外の運動も1時間ぐらいなら)水やお茶(ノンカフェイン)を運動前にコップ1杯(150ml程度)、運動中は15ー20分毎にコップ1杯補給するのがおすすめとのこと。
食事の中にも水分が入っているので、食事を抜かないことも大切です。塩分は、基本的に1日3食の食事がとれていたら足ります。朝食に味噌汁やスープを飲むと水分と塩分の両方を補給出来るので、安心して快適な1日をスタートさせることができますよ。
日常生活(屋外の仕事やスポーツ活動など)で長時間(2ー3時間)動き回る方は、医師や私たちスタッフに相談してください。
それと高血圧症でお薬を飲んでおられる方の中には、動いた時に血圧が下がりすぎてめまいが起こることもあるかもしれません。 血圧のお薬も季節の変化や体調の変化で調整が必要とのことなので、医師や私たちスタッフに相談してください。
ともあれ、必要以上に不安を感じたり心配しなくて大丈夫!食事と運動を楽しみながら、暑い夏を元気に乗り切りましょう!
理学療法士 佐藤 愛
※熱中症の説明は、大塚製薬ホームページを参考し、一部抜粋させて頂きました。