糖尿病ケアのための医学知識

糖尿病地域連携「DM net ONE」の会で,講演をしてきました.

医師 上田

皆さん 「病診連携」 をご存知でしょうか?

「病診連携」とは,患者さんを中心に,病院と地域の診療所(かかりつけ医)が協力して,役割や機能を分担しながらよりよい医療をしていくことです.

 

現在,糖尿病の患者さんは,全国で約890万人,予備軍をいれるとその数なんと約2100万人にものぼるといわれています.それにひきかえ,糖尿病の専門医は,全国でたったの4000人程度.専門医だけで患者さん全員を診ていたのでは,とてもその数においつかないのが現状です.

そこで,大阪市の北東地域では,糖尿病地域連携「DM net ONE」という病診連携システムをつくっています.私たちのすみれ病院も,糖尿病専門施設として,済生会野江病院,城東中央病院,関西医科大学付属滝井病院,大阪市立総合医療センターと一緒に,システムの中心となる基幹病院の役割を担っています.

 

今回,DM net ONEの年1回の総会・学術講演会が,先日12日にリッツカールトン大阪で開催されました.

 

すみれ病院からは,今話題の新薬「DPP-4阻害薬の使用経験」について報告をしてきました.DPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)は,いままでにない特徴をもった薬です.一部メディアでも紹介され,患者さんの間でもよく知られるようになってきていますが,ひさびさの新薬とあって,医師の間でも今ホットな話題となっています.私たちの報告にも,「どれくらい効果があるのか」「どんな使い方がよいのか」など,たくさんの質問をいただき,意見交換をしてきました.

 

特別講演は,東京慈恵会医科大学の西村理明先生の「持続血糖モニターからみた糖尿病治療」という最先端のお話でした.最新の機械である持続血糖モニターを使って,一日の血糖値の上がり下がりがどうなっているかを調べ,患者さんそれぞれのパターンにあった治療法をきめていくという,わかりやすく興味深いお話でした.まさに時代は,オーダーメイド治療というわけです.

 

糖尿病治療は,いま着実にその歩みを進めています.

 

すみれ病院糖尿病ケアチームも,新しい治療をとりいれつつ,ひとりひとりにぴったりあった治療を提供していきたいと思っています.

糖尿病患者の皆さん、私たちと一緒にがんばりましょう!

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