糖尿病ケアのための医学知識
持続血糖モニター(CGM)を導入しました
医師 上田
朝夕はずいぶん涼しくなり,秋の気配を感じるようになってきました.
今年も厳しい暑さが続きましたが,体調をくずされていませんか?
今回は,糖尿病治療の力強い味方,新しい血糖測定ツールについてお話したいと思います.
みなさん,持続血糖モニター(CGM:Continuous Glucose Monitoring)をご存知でしょうか?
これまで,血糖値の変動をみるためには,簡易血糖測定器を用いた自己血糖測定(SMBG)が使われてきました.
しかし,自己血糖測定では,その時点の血糖値はわかりますが,それ以外の時間帯,たとえば夜間睡眠中や仕事中など,測定できない時間帯の血糖値の状態はわかりません.
そのため,自己血糖測定を一日に数回行っても,一日の血糖変動の全体像をきちんと把握することが難しいという問題点がありました.
そこで開発されたのが,持続血糖モニター(CGM)です.
CGMは,皮下に刺した細いセンサーで血糖値を5分毎,24時間連続して測定できる機械です.
いままで「点」で想像していた一日の血糖値の変動が,一目でわかる「線」グラフとなって現れ,想像と現実の一致や違いを実感できるところが,CGMの大きな魅力です.
CGMを使うことで,今の糖尿病治療がうまくいっているかどうかの確認ができますし,これまでわからなかった,かくれた食後高血糖や夜間睡眠中の無自覚低血糖などの問題点がみつかるかもしれません.
みなさん,いちどCGMを使って,自分にぴったりあった糖尿病治療を考えてみませんか?
すみれ病院は,入院でCGMを行っています.
忙しい方は,週末3日間などの短期入院でも可能ですので,気軽に主治医にご相談くださいね.